歴史：
アイルランドのカウンティー・コークが原産といわれているアイリッシュ・テリアは、おそらく、最古のテリア種の１つに数えられるでしょう。巣穴に潜む動物、カワウソ、ミズネズミの駆除などをこなす猟犬として、獲物の回収犬として、また戦時中には前線と作戦本部をつなぐメッセンジャー（伝令役）としても活躍しました。1800年代後半のイギリスで非常に人気があり、1896年にアメリカでブリード・クラブが創設されました。今日では、害獣退治の手腕を依然保持してはいますが、主として家庭犬として愛され、丈夫で忠実な家庭の番犬として活躍しています。
特徴：
中型で均整のとれた体つきをしたワンちゃん。体長がやや長くて体高がやや高いことを除けば、ワイヤーヘアード・フォックス・テリアにとてもよく似ています。扁平な頭、長い頬ひげとあごひげのあるマズル（鼻口部）、頑丈なあごを持っています。ストップ（両目の間のくぼみ）は、横顔を見るとよく目立ちます。鼻の色は黒。耳はＶ字型で前に折れています。耳の毛は、体の他の部分の被毛より短く、また、黒っぽいことがよくあります。小さな暗色のぎらぎら光る目の上には、もじゃもじゃとした眉毛があります。前脚は長くてまっすぐで、筋肉が発達しています。尾は、通常の場合、元の長さの４分の３に断尾されます。被毛は、もじゃもじゃとしたワイヤー状の上毛と柔らかい下毛が一緒に生えています。毛色はレッド、ゴールデンレッド、小麦色で、いずれも単色です。
飼育のポイント：
被毛には、かなりのケアが必要です。トイレ・トレーニングは難しい場合があります。非常に健康な犬種で、これといった遺伝病にかかることはありません。探索したり物を追いかけることが好き。脱走しないように、周囲を囲った安全な場所以外では、リードにつないでおきましょう。穴を掘るのも好きです。
性格：
短気で向こう見ず、飛び抜けて勇敢、命知らず。生き生きとしていて、活発で忠実。お行儀がよく、遊びに熱中するので、活発な子供の良い遊び相手になります。利口なのでしつけしやすいのですが、多少わがままなところがあり、手に負えなくなることもあります。子犬の頃から厳しくしつけることが大切です。人間に対してはとても愛情深く親切ですが、防衛本能が強いので、他の犬に対してはかなり攻撃的になります。子犬の頃から人や他の犬によく慣れさせておかなければなりません。
