ドイツでは「テッケル」または「ダッケル」の愛称でおなじみ。体高の低いプラッケ(小型八ウンド)から派生した犬種。密生した藪や、下生えの深い森で
アナグマ狩猟を追うには短足が有利。狐やアナグマの巣穴へ忍び込むのに最適なことは一目瞭然。スピードも遅いので、徒歩の八ンターが余裕でついて行
ける。ダックスは何を隠そう生粋の猟犬で、驚くほど多芸多才である。地下で自分より大きなアナグマに戦いを挑み、あるいは追い出し、鳴きながら八ンターの射程
に入るまで狩り立て、調教次第では水中から獲物を拾ってくる。食欲旺盛にもかかわらず、家庭犬としても人気が高い。
ある時は甘ったれのやんちゃ坊主。ある日は不敵にかまえた一家のドン。
いささか押しが強いが、ひょうきんなので、許す。そしてひょうきんの中にも、どことなく哀愁を漂わせ、尊敬せずにはいられないところがある。
絶対に退屈しない犬だ。もとは目分で状況を判断して狩るように仕込まれた犬。時にはずいぶんがむしゃらな行動に出ることもある。犬
自身の判断力を、すなわち頑固、不従順と早合点してはならない。ダックスの従順さは、しつけによる愛着と忍耐の二人三脚によって初めて開花する。
チャーム・ポイント満載の犬なので、魅惑されて行儀をおろそかにしないこと。一番人気はワイア。次いで□ング、スムースだろうか。
一番小さいサイズのカニンヘンダックスフンドも人気が上がっている。
カニンヘンダックスフンドといえば、胴長短足の特徴ある姿でおなじみだが、この姿はもともとアナグマを穴のなかに追い詰め、もぐるために改良されたもの。
名前のダックスはアナグマ、フンドは犬という意味だ。体高対体長比は1対2が理想とされている。
アナグマは大きなものは20キロ近くもある。それを捕らえられるのだから、ダックスフンドはすばしっこく、かつ、勇気あふれる活発な犬種である。疲れを知らず、
スタミナ抜群で戸外では元気に走り回る。一方、家のなかでは落ち着きにあふれ、遊び好きで子どものよい友達になってくれる。
賢く、知らない人が訪ねてくるとちゃんと鳴いて教えてくれる一面も。
感覚も鋭敏で、飼い主が淋しそうにしていれぱそっとよりそい、楽しそうなら一緒にはしゃぐ。
もともとの用途は獣猟犬で、スタンダードはアナグマやイノシシを、ミニチュアはワタウサギを追うためにつくられた。
現在でも原産地であるドイツでは獣猟犬として使用されており、ミニチュアより小さいカニンヘンもウサギ猟で使われている。
ただし、日本をはじめドイツ以外の国では家庭犬として人気が高い。
長い胴体のため、太りすぎると椎間板ヘルニアにかかりやすくなる。健康のためにも、幼少期から栄養のバランスに気をつけ、甘やかしすぎず、体重管理
はきちんとしたい。 獲物の大きさに合わせて大きさは変わっていった。
スムース、ロングが最初の犬種。15〜17世紀の挿絵にカニンヘンダックスフンドの祖先犬ともいうべき、アナグマ犬が描かれている。現在のダックスフンドの最大の特
徴である長い胴体と短い肢はこのころから 変わらないが、被毛はスムースコートまたはロングヘアードだ。
ワイアーヘアードはそうした被毛をもつテリアと掛け合わせて誕生した比較的新しいタイプである。
1879年、ドイツで犬種標準が定められ、1888年にはドイツ・ダックスフンド・クラブが創設された。1890年にはドイツ・ダックスフンド・クラブの血統記録が出版
され、1860年までさかのぼって系図が調べられたという。
ワタウサギ狩り用のミニチュア・ダックスフンドがつくられたのは20世紀前半のこと。20世紀後半にはより小さいカニン
ヘンダックスフンドがつくられた。アメリカにカニンヘンダックスフンドが入ってきたのは19世紀後半だ。アメリカでは猟犬と
して使われることはあまりなく、最初からコンパニオン・ドッグとして飼われることが多かった。第1次世界夫戦時にヨーロッパからの輸入が滅って数が激滅し、
名前をパジャー・ドッグ(アナグマ犬という意味)と変えられたこともあったが、その後数が補充されるようになるとどんどん増え、有数の人気犬種となった。
日本でもコンパニオン・ドッグとして、ロングヘアードなどのダックスフンドの人気は高い。
スタンダード、ミニチュア、カニンヘンは、サイズを除いて犬種標準はほぼ同じで、3種とも胴長短足。体高と体長の比は1対2で、胴体は地面と並行で筋肉
たくましい。スムースヘアードの毛質は短くて硬く、滑らかで光沢がある。ロングヘアードはやわらかくて長く、つやが
ある。わずかにウェーブしており、耳の先端、前肢のうしろ側、尾の裏側の毛がとくに長い。ワイヤーヘアードは短く硬い剛毛で、全身に密生している。
大きさの違いは穴にあるスタンダード・ダックスフンドでは入れない小さい穴に逃げ込むワタウサギ用につくられたのがカニンヘンダックスフンド。
それよりも小さい穴に入れるもの
がカニンヘン・ダックスフンドだ。つまり3タイプのダックスは獲物が逃げ込む穴の大きさに対応している。それゆえに、ドイツでは3タイプを胸囲で分けており、
ドイツのスタンダードは35センチ以上、ミニチュアが3、〜35センチ、カニンヘンダックスフンドが30センチ以下となっている。
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