マルチーズの子犬がイギリスに渡ったのはヘンリー8世(1498〜1541)の時代とされ、エリザベス女王の時代には、上流階級の婦
人たちの抱き犬としてもてはやされていた。
エリザベス女王付きの侍医はマルチーズの子犬について、「その種類の犬は実に小さく、女性たちの楽しみと慰みのために求められた。
小さければ小さいほど好ましいとされる。
それは女性たちがこの犬を胸に抱いて連れていけるし、ベッドに持ち込むことができたし、馬車に乗っている間、両腕で抱いて
いられるからだ」と書いている。当時から、かなり高額で売られるマルチーズの子犬もいたようだ。ビクトリア女王にも献上され、
19世紀末には大流行した。
かつてマルチーズ・テリアと称されれたこともあるが、むしろスパニエルと近親関係にあると考えられている。イギリスで初めてド
ッグ・ショーに出品されたのは19世紀半ぱ。アメリカで初めてドッグ・ショーに出されたのは19世紀末で、1888年にアメリカ
ン・ケンネル・クラブが登録を認可している。

マルチーズ